法科大学院はできるだけ多くの有能な法律家を輩出するために2004年に創設された専門職大学院です。概略と受験準備についてご紹介しましょう。
法科大学院についての基礎知識と受験準備。
法科大学院は、法曹界に必要不可欠な知識と学力・能力を養成することを目的に設立された日本の専門職大学院です。
その主旨は、「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律・第2条第1項)」で明確に定められ、法科大学院制度創設にともなって2004年(平成16年)4月に同大学院創設の運びとなりました。
歴史や沿革はまだ新しいものですが、その背景には、規制緩和などによって国内のさまざまな法律が変わり、それにともなう訴訟問題の増加や企業における法務の増大化などを見込んだ政府の方針があります。
つまり「今後は法曹界への有能な人材の輩出が不可欠」と見込んだ経緯があります。
法科大学院をめざす人のほとんどは、卒業後の進路を、弁護士や裁判官・検察官など、法律に関係した職としています。
法科大学院を無事に修了することで、新司法試験の受験資格を獲得できます。
また法務博士(専門職)としての専門職学位が授与されます。
法科大学院の標準的な期間は3年とされていますが、たとえば入学試験で「各法科大学院で法学既修者の水準にある」と認められた場合に限っては、「専門職大学院設置基準」に基づき、修了期間を2年とすることが認められています。
一般には、3年の課程を「法学未修者課程」、2年の課程を「法学既修者課程」と呼ばれています。
修了するために必要となる単位や要件についても「専門職大学院設置基準」に定められており、単位としては「93単位以上を修得した者」で、修了した人は、新司法試験の受験資格と法務博士(専門職)の専門職学位を取得できるとあります。
法科大学院を修了した人は、5年のあいだであれば何回でも受験できます。
実は何回でも挑戦できるようになったのは2014年(平成26年)5月の改正司法試験法成立からで、それまでは5年間に合計して3回までの受験資格しか与えられていませんでした。
旧法では、3回のチャレンジを行っても新司法試験に合格できなかった場合で、再度この司法試験を受験しようと思う人は、もう一度法科大学院に入学し直して規定の単位と期間を修了する必要があるされていましたが、改正司法試験法の成立後もそのルール自体に変更はありません。
受験回数の上限のみが撤廃されました。
チャレンジ回数の上限が撤廃された背景には、できるだけ多くの有能な人材を法曹界に送り込もうとの方向性が示されたことによります。
また5年以内に試験に合格できなかった人は、「司法試験予備試験」に合格して、国が定めた別途受験資格を満たせば再び受験資格を獲得できるという道も残されています。
予備試験とは司法試験法第5条に基づいて2011年(平成23年)から実施されているもので、この試験に合格した人は、法科大学院修了者と同等の資格および条件で新司法試験を受験することができると定められたものです。
受験準備としては、法科大学院の基礎知識(各大学院の成り立ちや特徴)、志望校の決定を行うための法科大学院選びのポイント、効果的な情報収集と傾向の分析などが重要となります。
有名校としては一橋大学法科大学院、中央大学法科大学院、静岡大学法科大学院などがあります。
学費についてはインターネットなどでも公開されていますから、目安・相場となるものをピックアップしましょう。
その他、各法科大学院では、受験に必要な適性試験を実施していますので、適正試験に対する対策と試験概要なども知っておく必要があります。
予備校や塾が実施している「適性試験対策講座」の利用もおすすめです。
MEMU
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